国家資格の介護福祉士
一目置かれる国家資格「介護福祉士」
介護福祉士の資格は、1987年に施行された社会福祉士及び介護福祉士法により定められています。同じような資格にホームヘルパーがありますが、こちらは公的認定資格です。介護福祉士は国家資格ですので、周囲に対するアピール度が高いです。実際に試験の難易度も高く、取得するために必要な年数も長くなります。このような理由から介護福祉士の資格取得者は、介護の現場から重んじられる傾向があります。また介護福祉士になると介護業界に転職する時に有利で、さらに給料などの待遇面も手厚くなります。介護業界で介護の仕事をするために必要な資格はなく、誰でも仕事をすることができます。介護職の呼び名として「ケアワーカー」「ホームヘルパー」「介護職員」などがあり、誰でも好きな名称を名乗ることができます。しかし「介護福祉士」は名称独占資格ですので、資格取得者しか名乗ることができません。選ばれた存在というイメージが強い資格です。
介護福祉士の仕事は大きく分けると以下の4つがあります。
身体介護
1つ目が「身体介護」です。介護サービスの利用者は、自分ひとりで日常生活を送ることができません。介護福祉士はこのような高齢者の食事の介助、排泄のサポート、衣服の着脱の手伝い、入浴の介助を行い、さらに身体の衛生管理として体を拭いたり、歯磨きを手伝ったりします。またベッドから車いすに体を移動したり、自動車への乗り降りをサポートします。歩ける高齢者に対しては歩行の補助をして、車いすの利用者に対しては後ろから押して移動を手伝います。このように利用者の要介護度によって、介護福祉士がどこまでサポートをするかは変わります。
生活援助
2つ目の仕事が「生活援助」です。例えば食事の援助では、食材の買い物、調理、配膳、下膳のすべてを行うこともあります。さらに洗濯、掃除、整理整頓、買い物など、家事に該当するすべての援助を行います。特に在宅介護の場合に、生活援助の重要度が高くなります。利用者が気持ち良く生活を送るため、掃除の仕方や調理方法などは、その家のルールを尊重して行うことが大切になります。
相談・助言
介護士の3つ目の仕事は「相談・助言」となります。介護福祉士は介護サービスの利用者を直接的に介護、援助を行うだけでなく、利用者の家族に対してのフォローも行います。家族と協力して利用者の介護を行うため、利用者の家族に対して介護職の調理方法や福祉用具の知識などを紹介します。
社会活動支援
4つ目の仕事は「社会活動支援」です。介護サービスを利用し始める頃から、高齢者は地域社会から孤立してしまいがちです。介護福祉士は利用者と地域住民の結びつきを強めるために活動をする必要があります。地域のサークル活動に参加できるようにしたり、情報を提供することで利用者が生きがいを感じて生活することができるようにフォローします。