介護の基礎が学べる介護職員初任者研修
初心者が受けたい「介護職員初任者研修」
「介護職員初任者研修」は2013年に施行された介護資格です。以前の「ホームヘルパー2級」に相当する介護資格になります。ホームヘルパー2級時代とカリキュラムに大きな変化があります。「認知症の理解」と「障がいの理解」というカリキュラムの追加です。高齢者の約15%以上が認知症患者で、今後はさらに増えることが見込まれる中、認知症に対する理解を深める必要があること、さらに障がい者支援の充実が期待されていることからカリキュラムに追加されました。介護職員初任者研修のカリキュラムは全部で10科目あります。授業は講義と演習があり、学び方としては通学と通信講習を組み合わせることになります。資格を取得できれば、介護の基礎学習と技術を身につけている「有資格者」として就活も可能です。
カリキュラムの内容について
介護職員初任者研修のカリキュラムの内容を見ていきましょう。
1つ目の「職務の理解」では、介護の種類や介護サービスの分類などの基礎知識、さらに実際に介護をすることになる介護施設の情報や職務内容について学びます。
2つ目の「介護における尊厳の保持・自立支援」では、介護サービスを利用する側の気持ちになって、「人権」と「尊厳」の大切さについて学習します。さらにサービス利用者の能力に応じて、「自立支援」や「介護予防」を使い分ける方法を学びます。
3つ目の「介護の基本」では介護職という職種の「専門性」と「職業倫理」について学びます。さらに介護の職場での事故や感染といったリスクを知り、予防をするための知識を身につけます。
4つ目の「介護・福祉サービスの理解と医療の連携」では「介護保険制度」と「障がい者自立支援制度」の制度の目的や仕組み、さらに医療との連携とリハビリテーションの基礎知識についても学びます。
5つ目の「介護におけるコミュニケーション技術」では、サービス利用者である高齢者は、一人一人コミュニケーション能力に違いがあることを知り、理解と配慮ある行動を取れるように学びます。また利用者の家族とコミュニケーションを取る必要性や、職場内で情報共有をすることなど、介護職員としてのコミュニケーションの大切さを知るための内容となっています。
「車いすの介助」などの演習も
6つ目のカリキュラムは「老化の理解」です。加齢や老化が心と体にどのような影響を及ぼすのか、日常生活はどのように変化していくのかについて学びます。また高齢者がどのような病気になるのか、生活を送る上で注意点はどこかなども学んでいきます。
7つ目は「認知症の理解」です。「認知症ケア」の理念や認知症についての基礎知識、認知症の利用者を介護する時の判断基準となる原則について学びます。
8つ目は「障がいの理解」です。障がいを持つ人、その家族の心理を理解することと、「かかわり支援」について、さらに障がい者福祉の基本的な考え方を学びます。
9つ目が「こころとからだのしくみと生活支援技術」です。介護に関連する心と体の仕組みの基礎について、さらに生活支援技術について学びます。このカリキュラムでは受講者同士が高齢者と介護職員の立場になり、「車いすの介助」や「体位変換」、「入浴介助」の演習を行います。
10個目のカリキュラムが「振り返り」で、これまでのカリキュラムを復習し、介護職として転職するための心得についても学びます。